高橋食品の『大粒鶴の子納豆』と、納豆名によく使われる「鶴の子」て何? という話
納豆には「全国納豆鑑評会」があり、毎年美味しい納豆が発表されています。要約すればその年で一番美味しい納豆を決めるコンクールです。
リンク:納豆鑑評会/全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター
つまり、ここで受賞した納豆は、納豆のプロも認める美味しい納豆だと言えます。
あ、ちなみに余談ですが「鑑評会」は「かんぴょうかい」と読みます。
その鑑評会で何度も受賞歴がある会社が、実は京都の伏見にあるのです。
それが「京都 鶴の子納豆本譜」さんこと高橋食品工業株式会社さんです。
高橋食品さんは当ブログ二度目の登場です。以前食した納豆については、こちらにて書いています。
高橋食品「大粒鶴の子納豆」
その高橋食品で平成22年の第15回全国納豆鑑評会で「優秀賞」、平成26年の第19回全国納豆鑑評会で「特別賞」と二回も受賞した納豆がこの納豆、
大粒鶴の子納豆です。
この納豆は、ひと言でいえば全体的に平均より高い納豆です。
ほど良い糸引き、適度なやわらかさの豆、納豆独自の味や旨味も高い。
納豆が持つ独特の部分を全体的に磨き高めたような納豆です。
非常にバランスがとれた良い納豆です。そのままでもご飯でも、何にでも合いそう。
なるほと鑑評会で賞を取れる納豆だ。そんな感じがする美味しい納豆です。
納豆の名前に多く使われる「鶴の子」とは?
ところで、わたしは関西うまれで関西育ちなのですが、「鶴の子納豆」と聞いたらエイコー食品の鶴の子納豆を昔はよく見かけました。
この納豆はパッケージに白黒のわら納豆の絵と「鶴の子納豆」と上記の高橋食品さんの鶴の子納豆のロゴと同じものが使われた納豆です。
この2つは、同じように見えて、製造販売元がまったく違う納豆です。
今はエイコー食品さんで「鶴の子納豆」は作っていないようですね。最近はスーパーで見かけなくなりましたし、ホームページでも商品案内の項目にこの納豆はありません。
ここでわたしが気になったのは、「納豆に『鶴の子』使われすぎじゃね?」ということです。
「鶴の子」と付いている納豆はこれらだけではありません。実に数多くの納豆に「鶴の子」と付いています。
試しに「鶴の子 納豆」で画像検索してみてください。多くの納豆がヒットします。
このように多くの納豆で使われている「鶴の子」とは、いったい何なのか、無知なわたしには分かりません。
なので調べてみました。
「鶴の子」とは?
そもそも「鶴の子」とは何でしょう? まず辞書を調べます。
つるのこ【鶴の子】の意味 - goo国語辞書
- 鶴のひな。また、千年も生きるという鶴のひなに託して、長寿を祝う語。
- 「鶴の子餅 (もち)」の略。
- 雲孫のこと。〈伊京集〉
- 曽孫の子。〈日葡〉
どうやら縁起の良い言葉のようです。あと鶴の子餅というものを指すとか。
では、この鶴の子餅は何かと言えば、Wikipediaによると
卵型のすあまは、ツルの卵に見立てて「つるのこ(鶴の子)」または「つるのこ餅」と呼ばれる。
すあま - Wikipedia
なるほど「卵型のすあま」のことだったのですね。
鶴を表しているので縁起がよいとされ、高級な祝儀菓子や贈答品に使う地域もある。普段使いのすあまと差別化するため、より柔らかく作られたり、材料に高級な上新粉や上白糖、和三盆を用いたりする。中に甘い餡を入れたものを作る店もある。
すあま - Wikipedia
なるほどなるほど、「鶴」を表しているので縁起が良いとされ、高級な祝儀菓子や贈答品などに使われたりしているのですね。
何となく見えてきた気がします。
このような情報を踏まえ、納豆で使われいる「鶴の子」についていまとめてみます。
納豆で使われている「鶴の子」
その1、大豆の品種が「鶴の子」
「鶴の卵=鶴の子」となっていますので、卵の形をしたものを鶴の子と呼ぶことがあります。例えば京都宇治田原の特産品で、小ぶりで卵型の柿を「鶴の子柿」と言います。
同じようなものが大豆にもあります。国産の中でも高級品種と言われるブランド大豆、鶴の子大豆です。
この鶴の子大豆を使った納豆は、おそらくですがその大豆を使ったことを強調するために「鶴の子」と付けているのだと思います。
代表的なものが、日本一高いと言われる高級納豆、二代目福次郎の鶴の子納豆です。
これら以外にも鶴の子大豆を使った納豆はけっこうあります。そして「鶴の子」を名前に使っている納豆ももちろんあります。
これが、納豆に「鶴の子」が多い理由の一つですね。
その2、商品名が「鶴の子」
上記とは別に、鶴の子大豆を使っていなくても鶴の子納豆と名乗っている商品もあります。今回紹介した高橋食品さんの「鶴の子納豆」のこっちです。
納豆の商品名自体はメーカーが決めることなので、その背景に何があるかわたしには測りかねますが、想像してみたら次のような感じなのかもしれません。
・「鶴の子」というイメージ
祝儀菓子や贈答品としての「鶴の子」は、高級で縁起が良いというイメージがあります。
同じようにふっくら卵型をした大豆を使った納豆に「鶴の子」と付けることで、贈答品としての「鶴の子」とよく似たイメージを付けることができるのではないのでしょうか。
・以前は鶴の子大豆を使っていた
元々は鶴の子大豆を使っていたという推測もできます。
時代の変化とともに鶴の子大豆を使って生産しなくなりましたが、その名残が商品名として残っている、ということです。
どちらにしても、「良い納豆」ということを主張するために「鶴の子」という言葉を使っているのではないのでしょうか。
あくまでわたしの勝手な妄想ですけどね(笑)
とまあ、「鶴の子」のことから名前の推察まで好き勝手に書きましたが、名前一つにしても奥が深いですね。
これからも気になったことはどんどん書いていこうかと思います。