幻の黒豆で作られた納豆、あづま食品の『黒千石小粒なっとう』
前回のふぐだし納豆ですが、こちらもスーパーの物産展みたいな催しで買ったのですね。
目的はそれだったので、そのまま帰ってもよかったのですが、何気に常設の納豆棚も見にいったのですよ。
そしたらね、なんとあづまさんの「黒千石小粒納豆」があったのですよ。
いや初めて見ました!
黒千石とは日本在来種の黒豆大豆。じつは一度栽培が途絶えた大豆です。
それが原種が見つかり、熱意ある人々の手で再び栽培されるようになったという幻の大豆です(詳しくは下のリンクで)。
ちなみにリンク先の「理事長のお話」にある今までにいたる黒千石栽培の話は、胸アツです。
この大豆を使った納豆の存在は以前から知っていたのですが、ついに出会いました!
今回の納豆はあづま食品さんの「黒千石小粒なっとう」です。
あづま食品「黒千石小粒なっとう」
あづまさんの黒千石の納豆。噂は聞いていたのですが、出会ったのは初めてです。
見つけたスーパーはいつものキンショー(東大阪花園店)です。ここは以前から北海道のめかぶ納豆や、前回のふぐたれ納豆、また最近では下仁田納豆(ちいさなしもにた)などを置いていて、おどろかされてばっかりのスーパーです。
じつは以前から、他ではあまり売っていない納豆を棚に置いたりしています。
しかも同じキンショーでも、調べた内ではここだけです。他では今のところだいたい普通の関西の納豆棚。
たぶんここの店長かバイヤーさんが納豆好きなんでしょうね。それか、この周辺の地域に納豆好きが多いか(笑)
なんにせよ、ありがたい話です。
肝心の納豆の話にもどりたいと思います。ちなみにこちらは側面の画像。
では、さっそく封を開け、中を見てみます。
たれとわさびが付いています。あづまさんでは黒豆の納豆にわさびがよく付いてます。じっさい、黒豆納豆にわさびはよく合いますよね。
ではその下の納豆本体はこちら。
これが黒千石大豆ですか!
黒千石は粒は極小粒で球形のきれいな黒豆大豆とのこと。まさしくそのとおり、宝石のような綺麗な大豆です。
ちなみに黒千石は栄養価も素晴らしく、他の黒大豆よりも大豆イソフラボンやポリフェノールの値が高いとのこと。
さらには、免疫を担うリンパ球を刺激し、感染抵抗力やがんへの免疫を高め、アレルギー症状を抑えるインターフェロンγの生成を促す物質が発見されたとのことです。
他の黒大豆や豆類には同様の効果が認められる物質は発見されていないので、これらも黒千石のセールスポイントのひとつです。
参考記事:黒千石大豆 - Wikipedia
ではさっそくいただきます。
プレーンの納豆は口当たりやわらか。味はあっさり目。だけど旨味・甘み十分あり。風味・香りもしっかり、黒豆特有のさわやかな香り。後味に風味も品もある旨味。
混ぜれば糸引き良好。特に糸伸びよく、かなりきめ細やかな糸が切れずにしっかり伸びます。
ではたれとわさび、全部混ぜて食べてみます。
涼やかなわさびの風味が黒豆の味と香りを引き立ち、より一層黒豆の旨味を引き立てます。
正直、黒千石のポテンシャルが高くて、わさびやたれが必要ないほどですが、混ぜても美味しいです。やはり黒豆にわさびは合いますね!
熱い思いのこもった納豆、たいへんおいしくいただきました。
ごちそうさまでした。
てっちり(ふぐ鍋)の味する納豆、二豊フーズの『ふぐだし納豆』
「てっちり」ってご存知です?
いや、ふぐ鍋のことなのですけどね。
大阪ではフグ料理のことを「テッポウ料理(またはテツ料理)」などと呼んぶことがあります。テッポウはフグの禁止令が出ていた時代の隠語で、毒の強いフグは「あたると死ぬ」ということで「ふぐ=鉄砲」と呼んでいたとか。
諸説ありそうな話ですが、関西、特に大阪ではフグのちり鍋のことを「てっちり」、フグの刺身のことを「てっさ」と呼ぶことが多いです。
フグは昆布だしやポン酢と非常に相性が非常に良いので、関西で好み慕われるのは当然のように感じます。
そのフグの味を「だし」にした納豆があるのを、ご存知ですか?
それが今回の納豆、二豊フーズの「ふぐだし納豆」です。
二豊フーズ「ふぐだし納豆」
「あかもく」といった、他社とはちょっと違うアレンジたれが個人的には印象にのこる納豆屋さん。そちらの新商品の納豆です。
掛け紙には「もみじおろし入り ふぐのだしタレ付」と書いています。フグには「もみじおろし」はセットですものね。
もみじおろしは「大根」と「とうがらし」を一緒にすりおろしたもの。どちらも納豆に合いますので、とうぜんもみじおろしは納豆に合います。
そこにフグのだしが加わります。いったいどんな味の納豆でしょうか。
まず掛け紙をはずし、フタを開けてみます。
おおきなタレのパックが見えます。当社比三倍なのだそうです。
そして、その下の納豆にいきます。
小粒の納豆。色淡めで、おいしそうな納豆です。
プレーンをそのまま口に運べば、口当たりものすごくやわらか。ふわふわのお豆です。
かなり柔らかいですね。それでいてねっとりべちゃりなどしていません。二豊フーズさんの技術の高さが伺えます。
そのプレーン納豆の味はやさしい味。旨み甘みあっさり目。されど後味はしっかり。これはいい納豆です。
香りはひかえめですが、ほどよく納豆のよい香りがします。
糸引きは良好。粘り良し。強めの粘度で、まぜれば混ぜるほど粘りが強くなります。
たれは前途のようにふぐだしです。ちょっとなめるともみじおろしの味の他にポン酢の味もする。その中にあるふぐの風味。
これは、そう、てっちりの味ですね。もみじおろし入のポン酢に付けた、ふぐの味。つまりそれは、てっちりの味。
では、全部まぜて食べてみます。
たれの味か非常に強くでてきます。もみじおろし(大根+唐辛子)とポン酢の味ですから、納豆の味や臭みは抑えられます。
もみじおろしの影響で粘度は下がり、糸切れもよくなり、食べやすくなります。とうがらしの辛さもきいています。
これは、納豆が逃げてな人には食べやすいかもしれません。味的に個人的にはごはんより日本酒に合いそう。
なるほどこれはアイデア光る納豆ですね~。
たいへん美味しかったです。ごちそうさまでした。
黒森納豆こと「くろもりアルファフーズ」さんが自己破産
id:izumihudousan2007からご連絡いただいたのですが、黒森納豆こと「くろもりアルファフーズ」さんが自己破産されました。公式ホームページもフェイスブックも無くなっています。
「くろもりアルファフーズ」はファンも多く、「ガイアの夜明け」で取材されたり(放送はされませんでしたが)する有名な納豆屋さんです。こちらの納豆の大きな特徴として言えば、日本でも今やかなり数少ない、鉄釜を使って納豆を作っておられた納豆屋さんです。
納豆を作るのには大豆を煮るなり蒸すなりしなくてはいけないのですが、まだステンレスが普及していなかった昔の時代では鉄の釜を使って茹でていました。
しかし鉄釜は手入れがめちゃくちゃたいへん!大豆を煮るので油が使えないので錆びやすく、錆びが出てくればワイヤブラシでゴシゴシこすらなくちゃいけない。
参考記事:
blog.livedoor.jp
それに対して錆びにくいステンレスは鉄釜よりは手入れがだんぜん楽。ということで現在は納豆屋さんのほとんどがステンレスの釜を使っています。
ですが、この鉄釜で作られた納豆は美味いという話なのです。鉄釜の鉄分が大豆に何か作用しているんじゃないかな?という噂です。
わたしはブログで納豆を紹介しはじめてから「たぶん鉄釜かな?」という納豆は食べたことがありますが、確実に鉄釜で作られたと言える納豆は食べたことはありません。たぶん子供の頃は食べたことがあるのでしょうけど。
なので今や数少ない鉄釜で作っている「くろもりアルファフーズ」さんの納豆は食べたみたかったのですが…。残念でなりません。
現在は事業を停止し、事後処理を弁護士に一任している状態なのだそうです。
自己破産なので、うまくいけば事業再開という可能性もゼロじゃありません。できれば再開してほしいところです。
しかし、ここ何年かは納豆の消費・売上自体は過去最高を記録するぐらい好調なのに、中小レベルの業者が苦しい状態は続いているようです。少し前では京都の牛若納豆さん(旧森口加工食品)も特別清算をおこなっています。
経営や時代・災害等いろんな問題や要因が重なってのことなのでしょうが、何かやるせない、悲しい気持ちになります。
甘くてふかふかな黒豆納豆、牛若納豆の『黒豆納豆 弁慶』
京都には「牛若納豆」という納豆屋さんがありまして、当ブログでは同じみです。
創業が古い納豆屋さんのひとつで、明治十年創業とのことです。
明治10年は1877年ですので、今が2019年ですので142年前です。
ちなみに創業を記している納豆屋さんの中で一番古い納豆屋さんは天明8年 (1788)創業の「酒田納豆」こと加藤敬太郎商店さんなのだそうです。
なんと創業200年以上。すごいですね!
続きを読む北海道の大地と海が味わえるめかぶ納豆、道南平塚食品の『北海道のめかぶ納豆』
わたしのハンドルネームは「トモタヌキ」ですが、その名のとおりタヌキに似てると言われます。主にお腹周りです。
だいたいわたしは、誰かに似ていると言われることはまったくもって少なく、どちらかと言えば人間以外のものに似ていると言われることが多いです。
その代表格がタヌキ。それとクマです。
ですが、クマと言われるほど野性的な感じではないようで、結局はタヌキに集約します。
そんな感じでタヌキに愛着と親近感があるわたしですが、タヌキが目印の納豆は見かけたことがありません。
代わりににクマが目印の納豆には出会いました。
それが今回ご紹介する納豆、くま納豆こと道南平塚食品の「北海道のめかぶ納豆」です。
道南平塚食品「北海道のめかぶ納豆」
こちらの納豆、『くま納豆』と呼んだほうがいいのかもしれません。
北海道登別で、こだわり納豆をつくる専門店「豆の文志郎」。
そちらがプロデュースした道産素材の納豆をよりカジュアルに楽しんでいただく新感覚のブランド、それが「くま納豆」なのです。
出会った場所はスーパーでやっていた北海道物産店。
関西では北海道物産展はよくおこなわれていて、そんな会場の一つで見つけました。
目を惹くのは、やはりクマのマーク。
それとこの、踊っているクマの絵です。
なんとも可愛らしい。
横から見ると、PSP容器と透明の容器が二組、合計4つあるのが確認できます。
なんと、めかぶがタレではなくそのまま同封されています。
あおさのりたれなど、たれと同じように付いているものはよく見かけますが、素材がそのまま付いているのは初めてです。
取り出してみます。まずはめかぶ。
次に納豆です。
大豆は北海道産の極小粒。きれいな色をした納豆です。
そのままかめば、ほどよい柔らかさ。味はどちらかといえばあっさり目のうま味。後味すっきり。
香りはほどよいひなびた香り。粘り・糸引き共に良好です。
めかぶは味付けされていて、掛け紙には「塩麹のうま味」と書かれています。ですが、一口食べてみるとめかぶから出たとおもわれる海の味と香りがすごく濃い!これは楽しみです。
そして全部入れ、混ぜたものがこちら。
納豆×めかぶのネバネバで、通常よりもりもり泡立ちます。すごい。
食べてみるとめかぶの味と香りが口の中いっぱいに広がります。味付けに使われている塩麹や魚醤もよい感じ。そして噛めば広がる納豆の味とのハーモニー。
これはご飯に合いますね~。そのままでの酒の肴としていけそう。
北海道の大地と海、そのどちらもいっぺんに味わえる素敵な納豆。
美味しかったです。ごちそうさまでした。
豆味すっきりの小粒納豆、エイコー食品の『北海道小粒納豆』
前回コストコの話をしましたが、そのよく行くコストコ(コストコ和泉倉庫店)のすぐ隣には「ららぽーと和泉」があり、そこも寄ります。
そのららぽーと和泉の中にある、産地直売所のようなスーパーマーケット『JA全農ファーマーズ』の納豆棚がこちら。
関西でも上位に入る面積と品揃えです。特に「麦納豆」はよく置いていて、当ブログでも記事にしています。
あと小杉食品さんの「都納豆」もありますね。こちらもわたし好みの美味しい納豆です。
おそらくですが、都納豆さんは初めて見るかもしれません。来るたびに品揃えが変わるということはよくあることで、その度に一期一会を楽しんだりしています。
そんな一期一会の納豆に今回も出会いました。
品数は少ないのですが高品質の納豆を作っておられるエイコーさん。その納豆の一つにまたまた出会いました。
今回の納豆はエイコー食品さんの極光ブランドの一つ「北海道小粒納豆」です。
エイコー食品「北海道小粒納豆」
左上にある「極光」のロゴ。エイコーさんの納豆です。
同納豆棚には「極光納豆」も売っています。この納豆は極光よりはお求めになりやすいお値段で100円ほど安いもの。でも見つけたのはおそらく初めてです。
こちらはその納豆の掛け紙の側面。
ここにはこのように書かれています。
大阪でつくりあげた“大豆のうまみ引き出し製法”で最後の一粒まで“すっきり”と美味しくいだだけます。
この製法については、エイコーさんのホームページの製造工程にもこだわりの製法のことが書いてあります。
参考リンク:こだわりの製造工程/エイコー食品 公式サイト
どのような納豆なのでしょう。楽しみですね。
まずは掛紙をはすし、フタを開けたものがこちら。
かつお風味と書かれたタレとカラシ(平群商店)。たれだけちょっとなめてみると、掛け紙に書かれているように甘口のタレです。
そして、その下にある納豆はこちら。
不揃いな大豆が入った中~小粒の納豆です。見た感じちょっと艶っぽい。
大豆をそのまま食べてみますと、ほどよく柔らかく「さくっ」とした食感。これは以前食べた、おそらく鉄釜で蒸煮された昔ながらの納豆の食感によく似ています。
エイコーさんの製造工程を見たら鍋はたぶんステンレス製です。どいうことでしょうか?
豆味は後味少ないすうきり味。糸引きや粘りは普通ほどといった感じです。
では、たれからしも入れ、全部混ぜて食べてみます。
たれの味が独特です。甘みが強いタレにすっきりした納豆の味が合わさります。うん美味い。
そして、最後の一個を山芋のとろろと混ぜて食べたときに分かったのですが、他の食品と合わせたときの相性が抜群です。
このとろろ納豆の美味しいこと! すごく美味しい!
これはすっきりしながら、それでいてちゃんと自己主張できる味は持っている、ということではないのでしょうか?
これは、いろんな料理に合いそうな予感がします。かなりポテンシャルを秘めた納豆のように感じました。
美味しかったです。ごちそうさまでした。
味も体にもやさしい納豆、あづま食品の『有機そだち 極小粒納豆』
最近コストコに行ったのですが、ここで以前、納豆と出会った記憶があります。
当時は意識しなかったのですが、今はこのようなブログを書いている身。記事になると探してはいるのですが、見つかりません。
ですので、いったいどんな納豆?海外の納豆?などと思って検索してみると、どうやらあづま食品さんの納豆のようです。
続きを読む関西メーカーの極小粒納豆、高橋食品工業の『超小粒鶴の子納豆』
関西の納豆棚で主に面積を取っている納豆は「おかめ納豆」や「金のつぶ」、それと関西だけ売られていてる「なっとういち」が多いです。最近では「あづま食品」さんもよく見かけるようになりました。
そして上段のほうには小金屋さんや牛若さんといった納豆も見かけることが多くなり、関西の納豆事情も昔と変わってきました。
昔といえば関西では「おかめ納豆」「なっとういち」がほとんどで、それ以外の納豆は、エイコーさんと高橋食品工業さん。それと主に玉出で売っていたやわらか納豆ぐらいしかなかったと記憶しています。
子供時分なので記憶はあいまいですが、たまに両親は「ちょっと高いけど美味しい納豆」として、エイコーさんの納豆を買ってきたりしていました。
つまり、いつもはお値打ち価格の他の納豆を主に食べていました。おかめ納豆やなっとういち、そしてもう一つが今回ご紹介する高橋食品工業さんの「超小粒鶴の子納豆」です。
高橋食品工業「超小粒鶴の子納豆」
高橋食品工業の鶴の子納豆。わたしが「鶴の子ってなに?」と疑問に思ったキッカケの納豆のもう一つです。
「鶴の子大豆」という大豆がありますが、この大豆は基本大粒から極大粒。なのに超小粒とは!?という一品です。
たぶんですが、このパッケージは細部は変わっても、昔からほぼ変わっていないと思います。「こんな感じだったなぁ~」とも感じる一品。
ですが、この納豆。関西の売り場ではほとんど見かけません。たぶん大手メーカーの影響でしょうか? 何より価格競争では大企業には簡単には勝てませんからねぇ…。
売っている場所で記憶にあるのは天満市場の地下にあるスーパー。この納豆もそこで買ってきたものです。
掛け紙には「鶴の子納豆」という独特の文字に、黄身とネギがのった納豆の画像。美味しそう。
掛け紙を取って開けてみると、タレとカラシがあらわれます。
そして、その下にある納豆本体はこちら。
超小粒、いわゆる極小粒という部類の納豆です。大豆はアメリカまたはカナダ産。
よく発酵している感じです。香りも納豆独特の香りがします。
そのまま数粒食べると、ほどよく固い豆に、しっかり発酵した納豆独自の発酵味。超小粒なのでよく発酵しています。
糸引きはまあまあ普通ぐらい。粘りはいい感じで、よく粘ります。
掛け紙には「かつお風味のたれ・からし付き」と書かれています。たれだけ少しなめてみます。
美味い。
これは美味しいたれですね。関西人が好む味付け。
なるほど、ここの納豆はたれが特徴的なのかもしれません。
全部混ぜて食べてみます。
納豆の味に美味しいたれが合わさり、よい味わいの納豆になります。極小粒なので、混れば混ぜるほど粘りがでて、そこにたれと空気があわさり美味しくなります。
美味しくて、なつかしい味でした。ごちそうさまでした。
ひさびさに寄ったスーパーで「ちいさなしもにた」を見つける
ひさびさに寄ったスーパー、キンショー(近商ストア東花園店)で見つけました。
「ちいさなしもにた」ですよ、いいですね。
以前からこのスーパーは、一味違う納豆を置いていました。袋入りの牛若納豆(牛若納豆 極小粒)や、ひるぜん納豆とかです。
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